魔理沙「…こんな感じだな。」
霊夢「惨事会、ねぇ…。無駄なことやるもんだわ、外の人達は。」
霧雨邸。珍しく霊夢を招いた魔理沙は、『外界の様子が見たい』と言う霊夢のワガママに応えるため、
水晶玉を扱っている最中だった。何故外と内の境を守る霊夢が外界を見たいと言い始めたのか。
それは大結界すら越えて伝わり来る“熱意の波動”の所為だったのかも知れない。
霊夢「…私たちをネタにしてお絵描き、ねぇ…。」
魔理沙「良かったな、霊夢。お前の人形もあるぜ?」
霊夢「人形なんて、アリスだけで十分よ。 …まぁ、呪いがかかってなさそうな分、まだマシだけど。」
魔理沙「…それにしても、すごい熱のあげ方だと思わないか?」
霊夢「無駄にね。」
魔理沙「さり気なく酷いな、お前。」
白黒の魔法使いは、ふぅと息をついて肩の力を抜く。結界の外を知る、それだけでも結構力を使うものなのだ。
カーテンを引いて薄暗くしてあった窓に近付き、そっとそれを明け放つ。
月明かりに乗って心地よい夜風が髪を揺らすのを感じながら、再び彼女は口を開いた。
魔理沙「…なぁ。」
霊夢「…何?」
魔理沙「…今、私たちがやってる事って、無駄なのか?」
霊夢「…何言い始めるのよ、唐突に。」
魔理沙「…いつか、お前とも別れる時が来るよな。なら、今ここで私とお前でやってる事って、どうなるんだ?」
霊夢「…今日のあんた、おかしいわよ?」
魔理沙「まぁな。でも、私だって時には怖くなるんだ。本当に私がしてる事に意味なんてあるのか、何時か答えが見つかるのか、ってさ…」
…いつしか少女は震えていた。淡い月の光も、彼女の心を暖めてはくれない。
世界でたった一人、震えながら声を上げる少女。その身体は夜の闇に比べてずっと小さく、ずっと弱かった。
…すっ、と、震える肩に小さく白い手が触れる。
霊夢「…莫迦。」
博麗の少女の声は、世界一短く、冷淡で、そして暖かかった。
力なくしなだれる魔女の身体を、強くその手で抱きしめる。
霊夢「…私が居る。それで、充分じゃない。」
…と言うことで、東方オフ会で最初に書いた文章です。
お題は惨事会のつもりで書き始めたのでもっとお気軽にしたかったのですが…気がついたら霊夢×魔理沙に。
なお、当日その場で書いた文をそのまま載せてあります。
だから誤字やら何やらが多いのですが…やっぱりそのまま載せないと意味がありませんし。
本当は手書きのそのままを載せたいのですが、画面上では見づらいのでタイプしたと言うだけです。
ところで、謎のザコさんには『四季想話を思い出した』と言う言葉を頂いたのですが、その時はまだあちらのうpろだ見てませんでした。
なので未見だなぁと思っていたのですが。
……が。
Coolierさんのうpろだにあった頃…即ち、四季想話へと纏まる以前に、しっかり全作読ませて頂いておりました。
これを書いたときには全然意識してませんでしたけどね。
ひょっとすると意識しないうちに刷り込み的に意識していたかもしれません。
ついでに謎のザコさんやKomさんへの私信。
私はやはり基本的にスレは見ませんので…ゆったりしてるとは言えそちらのスレも見ないでしょうね。
ただ、あpろだの方は確認するかもしれません。
ついでに、もしも私がいんふぉしーくさんに見せられない作品を書くようになったらお世話になるかも知れません。
……まぁ、多分ないでしょうけど。もしそう言う日が来たら「あぁ…」とでも思ってください。
では。
2004/01/01 オフレポSS第一弾。