即興書きSSその4@2003/12東方オフ
東方夢想伝 〜Intermission〜
  魔法図書館 書司見習い

 パチュリー「…そう言うわけで、次に私が帰るまでにこれをお願いね。……本来なら使いたくなんかないんだけど。」

紅魔館の図書館で、パチュリーは側付きの小悪魔にそう伝える。笑顔で応える小悪魔。
彼女はたった今、上司の魔女から、図書館内の探索を命じられたのだ。
理由として、本領発揮したパチュリーの使用に耐え得るスペルカードの生成がある。
日符や火水木金土符など、あまりに強力な符は一度の使用毎にカードが燃え尽きてしまう。その上に生成は少々面倒なのだ。
パチュリー自身は今回急きょ結成された「フランドール捜索隊」に駆り出されてしまい、札の生成をやっているヒマがない。
そこで小悪魔…リトルと呼ぼう…の出番となったわけである。


さて、そのリトルは今、図書館の最奥で或る本を探している。パチュリーが37年前に読んだという日符の生成手引書だ。
 リトル(……?)
どうやら、目的の本があったらしい。手を伸ばす。届かない。うんと背伸びする。届かない。
…ここで飛んで取れば困った事などなかったのだが、そうしないのがリトルである。
こともあろうに、思いっ切り本棚に向かってジャンプした。

がんっ

…予想通りに鈍い音がして、リトルの額には大きなたんこぶ。おまけに数冊、呪われた本も落ちてしまったようだ。
呪われた本。まあ、放っておけば人間5人くらい簡単に石に出来るのだが、慌てず対処すれば大丈夫。
 リトル(…火符「アグニシャイン、上級!」)
パチュリーから借りておいたスペルカードで本を焼き尽くす。流石は図書館の住人、落ち着いている。
 リトル(……あれ?)
本を焼き尽くした炎は、ついでに本棚を一気に焼き尽くそうとし始めた。流石は紅魔館の住人、やる事が違う。
 リトル(あ〜、え〜と、水符!!「ベリーインレイク」!!)
発動した水符は炎を消し、そして一帯の本を水びたしにしてから収まった。…当然、周辺の本は使い物にならない。
事態の悪化に茫然とするリトル。だが、ある事実に気付く。
 リトル(……あ〜、図書館の地図、逆に見てましたね〜)

…この後、リトルの符作成には大変な武勇伝があるのだが、それは割愛する。
結果、パチュリーがリトルに深い感謝をしていたという事だけは記しておこう。

この頃から以後、紅魔館のメイドたちの噂話では「図書館の蔵書の総価値が博麗神社の賽銭4年半分に減った」とか何とか。


            ...Stage Clear.




…と言うことで、東方オフ会で最後に書いた文章です。
この文章だけはタイトルをちゃんとつけました。夢想伝の裏の裏ステージと言うことで。
どうしてもむむむさんに小悪魔の活躍(?)を見てもらいたかったということもあるのですが、
夢想伝で言う所の9話から12話の間くらいの出来事ですね。

むむむさんの描かれる小悪魔&パチュリー像とはちょっと違っていますが、まぁあの物語の小悪魔と言うことで。
実は今回活躍しなかったキャラ達を活躍させるシナリオも考えては居るのですよ…何時になるかわかりませんけど。

それにしても、私の場合は絵師の方と違って短期的にさっくり表現出来る事がこれくらいしかないのですよ。
言ってみればこれはむむむさんに対して書いた色紙みたいなものです。
普通色紙には色鉛筆や色ペン、コピック等で描いた綺麗な絵が載るはずですが、私に出来るのはこれくらい。
短い文章をさっくり書いて、相手に伝える事くらいですね……そうそうさっくり書けないのが悩みどころ。
……ああ、絵も描けるようになりたいなぁ…やっぱり修行かぁ……


なお、記述上のレイアウトは紙に書いたものを出来るだけ再現したつもりです。勿論同じではないので、微妙に見づらいかも。


2004/01/01 オフレポSSシリーズもこれで終わり!……疲れたぁ…


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