東方楽曲及びZUN氏作曲楽曲の二次使用に関する条件

今日までに東方シリーズの二次創作作品としては数々の作品が発表されていますが、
これらに関して、その多くが今までBGMとして東方紅魔郷及び東方妖々夢の内部データを推奨してきました。

しかしながらこれらは各二次作者の独自の判断によるものであり、公式なものではありませんでした。
そこで今回WAI・unionがこれらの二次創作における楽曲の利用に関して、一次作者のZUN氏に確認を求めた所、以下のような回答を頂きました。

以下、ZUN氏のメールより転載(一部原著作者の意向に基づき改変)。
> 曲等の内部データの使用に関しては、余り推奨は出来ませんが
> 以下の条件を満たしていれば問題ありません。
>
> ・東方の二次創作物以外のプログラムでの使用は禁止します。
>  但し、東方の二次創作の場合で以下の条件を満たしていても、
>  必ず相談をしてください。
>
> ・私の許可を受けた場合は、どこかに必ず許可を受けた事を明記してください。
>
> ・フリーであること
>  営利目的で使用する事は禁止します。
>
> ・データを含めて再配布しないこと
>  これはいかなる場合においても禁止です。
>  勿論データの一部でも駄目です。
>
> ・データの使用を強制しないこと
>  デフォルト(初期状態)で内部データが無ければ遊べない形にしてはいけません。
>  出来れば別のデータを用意し、一緒に配布してデフォルトではそのデータを使用
>  するようにしてください。
>  また、「内部データが見つかりません。」「内部データを置いて下さい。」等、
>  内部データの使用を誘導してはいけません。
>
> ・データの改変を行わないこと
>  曲データなど、リアルタイムのエフェクトなども禁止します。
>
> ・元データのイメージを著しく損なう場面で使用しないこと
>  特に暴力的、性的表現を含む場面での使用はいかなる場合においても
>   禁止します。
>
> 以上です。
> 今は東方を持っている方しかプレイしないかも知れませんが、将来的に
> 誰かがそのゲームをプレイした時に、東方のデータを強制されるとその
> 人にとっても私にとっても困る事になるかも知れないので、上記の方宜
> しくお願いします。


また、これら二次創作作品に関しては、他に旧作のmidiのDLを推奨するなど、
東方幻想的音楽所蔵の音楽を利用して演奏環境を整える事も同時に推奨されていました。
これに関しても以下のような回答を頂きました。ZUN氏のメールより転載。

> ホームページ上で公開しているデータは、無料公開なので問題ありません。
> この場合は、報告して頂ければゲームと同梱しても構いません。
> (私がいつ消すか判らないですし……)
> 但し、どこかに必ず著作権を明記して下さい。
>
> まぁ、古いので私的にはあんまりですが^^;


以上の利用条件に基づき、二次創作者のうち連絡が取れる者で協議を持ちました。
結果として、各作者はZUN氏への連絡を取り各自の作品への修正を行うと共に
この文章を公に開示し、東方関連の二次創作における指針とする事を方針立て致しました。

各作者はこれにより、先行した作品の発表により二次創作時の楽曲使用に関して、
不文律的な流れを作り出してしまった事をZUN氏及び各位に謝罪すると共に、
再びこのようなことの発生しないよう啓蒙し、更なる東方界隈の発展を祈るものであります。

2004.1.17


追記(2004/01/22)

公開された上記の文章に関して、以下の本質的意識の記述の欠如が存在しましたのでここに記述致します。

先ず、ZUN氏は東方楽曲の使用に関して、けして推奨しているわけではないと言う点をご確認ください。
またその根底として存在する考え方として、二次創作作品は二次創作である以前に、それが創作であると言う考え方です。

ZUN氏が二次創作を推奨なさる理由の一つに、この『創作を楽しんで欲しい』と言う点があります。
以下、ZUN氏のメールより転載させて頂きます。

>内部データの二次使用に関して推奨しなかった意図は、著作権的な問題もありますが
>他にも「創作を楽しんで頂きたい」という意味もあります。

また、同様に、

>例え耳コピでも人によってアレンジの仕方が変わります。
>作品によって色々な味がある方が私は良いと思うのですがどうでしょうか?

…以上のようなお返事を頂いておりました。
ZUN氏のお考えの基本として、二次創作に対しての創作行為全てを楽しんで欲しいと言うものがあります。
今回のやり取りは、この考え方の上に基づいたZUN氏の判断の再確認作業であったと申し上げる事が出来るでしょう。
その一方で、逆に私達二次創作者側はこの原則を見落としていたと言わざるを得ません。
ひいては、創作活動の持つ本質的『楽しさ』を見落とす所であったと申し上げる事も出来ます。

上記『条件』においてこれらの基本的姿勢の記述が欠如しておりました事で、ZUN氏の本意ならざる創作が今後一般的になる事を憂慮し、
また懐疑を投じて下さった方々への謝意を含め、ここに文章を追するものであります。


 

 WAI @紅魔郷RPG (http://tohorpg.hp.infoseek.co.jp/ waiwai_08ulti@hotmail.com
 union  @東方RPG  (union_ysk@hotmail.com)
 ふちけん @東方RPG (
http://www.h7.dion.ne.jp/~fuchiken/ narunarufuchiken@hotmail.com
 漂流いかだ @東方夢想伝(
http://jiyugiga.sakura.ne.jp/ drifting_raft@infoseek.jp
 カン @東方幻遊録   (
http://th-radio.hp.infoseek.co.jp/ th_radio@hotmail.com


(原文文責:漂流いかだ)